入院

今日とうとう入院しました。もうあとは流れに乗って進むだけ。


入院前日は、午前にPCR検査を受けて、午後から稽古へ。最後の稽古と思うと集中できて、なかなかいい内容だったと思う。ビシッと締められたし。

先生にもしばらく休むことをご報告。待ってるからと言ってくださって嬉しかった。


帰宅してゆっくりお風呂に入って、いよいよ両親に電話。驚いていたけれど、予後のいいがんだと説明して、少しは安心したみたい。入院直前の報告がよかったのか悪かったのかわからないけど、夕食のお店の時間が迫っていたので(汗)、バタバタと電話してそれほど深刻にならずに済んだ。両親は電話の後で色々思ったかもしれないけれど…。


夜は近所の行きつけフレンチで、最後の晩餐。しばらく病院食で味気ない食生活が続くし、ワインも飲めないしで、心ゆくまで美味しい食事を楽しみました。デザートに合わせてグラッパまで飲んじゃった。


今日は夫が休みを取ってくれた。朝ごはんまで用意してくれて、相当気を使っているみたい。もう私も気にしていないと言えば嘘になるけど、まあ仕方ないかなと。結局面会もできないみたいだし。


10時半過ぎに家を出て、病院玄関で夫とお別れ。入院手続きして、ナースステーションへ。ベッドは窓側だけど、残念ながら眺望なし…看護師さんのご挨拶、乳腺外科の術前説明。

気になっているリンパ廓清。以前外来で受けた先生の説明では、転移が微少なら廓清せずに放射線と言っていたけど、今回の先生の説明では、転移があったら廓清するとのこと…どちらの先生が執刀するんだろう。今後の生活を考えると廓清は避けたい。


術前説明が済んだらもう昼食。意外と慌しい。


入院している病院は医大付属で、看護師長さんから、看護学部の生徒の実習協力をお願いされた。喜んで協力する。血圧を測ってもらったり、検査室へ付き添ってもらったりした。初々しくていい。コロナの影響で、ようやく実習が始まったらしい。将来素敵な看護師さんになるよう、頑張ってください。


午後は麻酔医の説明、そして恐れていたセンチネルリンパ検査の注射。本当に痛かったー(涙)。ギューっと抓られるような痛み。それも2回も!看護師さんによると、手術より痛いと言っている人もいるみたい。


少し時間に余裕ができて、本を読んでからCT撮ったり、コンビニでブレストバンド買ったり、形成外科の術前説明を受けたり。先生が体にペンでマーキングしたのを見て笑ってしまった。こんなに豪快に体に落書きすることないしね。


ここで先生から再建の話。乳腺の先生から、お腹の筋肉を切ると聞いて諦めた自家再建、どうもその術法はせずに、脂肪と血管を取る術法をするとのこと。また心が揺れる…エクスパンダー期間にゆっくり考えることにしよう。脂肪注入が保険適用になってくれたらなぁ。


病室に戻ると、夕食が置いてあった。急いで食べて、予約を取っておいたシャワーを浴びる。ちょっと遅れてしまった。最終枠でよかった。自分の胸をゆっくり見る最後の機会だったけど、急いでるし、マーキングしてあるしであまり感傷的にはならずに済んだ。


シャワー後はコーヒーを飲みながら本を読んで、ゆっくり過ごす。父からのメールにちょっとホロリとした。私もいい歳だけど、やっぱり親にとってはいつまでも子供なんだなぁ。心配かけてごめんね。


とっくに消灯時間も過ぎて、このブログを書いてます。明日は朝7時から飲水もできないし、辛いだろうな。


入院前の心境

全摘する側の胸が何となく痛い…

もうすぐなくなっちゃうから、最後に存在をアピールしているのだろうか?

内側からチクチクと刺されるように、時にはギューっとつねられるように。乳がんと診断される前も痛みは時々あったけど、気に留めることもなかったので、きっと精神的なものだろうなと思う。

お風呂に入ると、毎回しこりを確認してしてしまい、我ながら往生際が悪いなと呆れる。どうせなら、もっと早くやっておけ!だよね…過去の自分を叱り飛ばしたい。

胸の中には複数個のしこりがあるそうなんだけど、乳房の外側にも小さいのがある気がする。術前の説明の時に言ったほうがいいかな?MRIも撮ってるから、先生が気付かない訳ないか。

 

今週は、語学の先生と、武道の役員の方にカミングアウトした。

語学の先生には、3週間程休むこと。武道のほうは、大会などのお手伝いがしばらくできないこと。特に武道は、今年度から役員になっていたものの、コロナの影響で殆ど活動がなく、10月の月例会で活動開始となっていたから、何もお手伝いしないままお休みに…。ライン上ではあったものの、伝えるのが心苦しかった。

あとは武道の先生、数少ない友達、そして両親…。気が重いな。

ジタバタと過ごす日々

稽古に行く直前、病院から電話があり、改めて入院日や手術日の確認がありました。

最終的に決定しました、と言われたけど、この前の連絡は決定じゃなかったのね…

いよいよ来週に迫り、実感が湧いてくるかと思いきや、まだ現実感がない。だけど、もうすぐ自前の左胸ともお別れかと思い、以前に集めていたブラをせっせと着けている。専業主婦になって、外出も武道以外あまりないと、普通のブラを着けることがほぼなくなってしまった。受注会にも行くほど集めた、結構な数の下着…高かったのに(涙)

インプラントでも普通のブラを着けられればいいけど、どうなんだろう。いきなり処分なんてできない。ワイヤーを抜いて着けるという技もあるみたいだけど…1枚レースのものが多いから、ちょっと心許ないだろうな。

 

武道の稽古もせっせと通っている。先生に「えらく熱心に来てるね」と言われ、ちょっとヒヤリとしてしまった。あまり早くお伝えするのも余計な心配をさせてしまうだろうから、入院前日にと思っているけれど…。先生も熱心に指導してくださって、本当に心苦しい。でも、入院までは普通通り練習しておきたいし、ようやく何とか形になりそうなので、前日まで頑張ろうと思う。

 

そして今日、稽古の甲斐があって、「今のままずっと継続して成果が出ていれば、誰に習ったのか聞かれた時には、私の名前を出してもいいよ」と言ってくださった!本当に嬉しい。何度同じ事を指導しても、全くできない不器用な私をここまで導いてくださった先生。ありがとうございます。

 

はぁ、もうすぐ稽古もできなくなってしまうのが本当に惜しい。

もやもや

前回の診察の際に仮設定だった手術日は延期になり、来月に決まりました。入院前日にはCOVID-19のPCR検査をするので、外来で来てください、とのこと。

まさか陽性、なんてことはありませんように。リンパ節に転移しない前に、少しでも早く取ってしまいたい。

 

夫に日程の変更を伝えると、何と「手術の日には立ち会えない」と言われた…本社上層部とのTV会議が入ってるんだと。「代わりに出席する立場の人がいない」そうで。

わかってますよ、あなたがそういう役職に就いていることは。だけど、ただただ悲しかった。私だってあなたの唯一の妻で、あなたは私の唯一の夫なんじゃないの?こういう時は、何があっても立ち会うのが普通なのでは?私がわがままなだけ?

 

会議は午後いっぱいで、手術が午前中に済むなら立ち会ってもらえそうだけど、切除とエキスパンダー挿入で4時間くらいはかかるだろうから、どのみち最後までは病院にはいてもらえない。

「手術が終わったら、電話してもらうのは?中座するのは予め言っておくし」と言われたけど、そんなのありなのかわからない。そもそも、いざという時に判断して同意書を用意できるように待機してもらう、という意味での立会いなんだと思うし。

 

一応病院に電話して、手術が何時から始まるのか聞いてみることにしたけど、私の中で、気持ちがすぅっと冷めていく。もう立ち会ってもらわなくてもいいや。何か言われたら、入院書類にも明記されてなかったし、コロナで面会もできないそうだし、立会いは必要ないと思っていました、で通そう。実際立ち会ってもらったところで、ただ居るだけなんだし。

入退院も術後の治療方針説明も、ひとりで行くことにしよう。そうしよう。病気のことは、あまり話さないようにしよう。

意地を張るなと言われそうだけど、もやもやするこの気持ちをどうしたらいいかわからない。

MRIの結果

先週撮ったMRIの結果を聞きに、診察へ。

CTよりも詳細な画像。自分の胸を透過して見る不思議。血管がたくさん通っている。

そして白い塊。やはり複数あるみたい…思ったより大きい。

先生も「結構大きいんだよね…」と画像をクルクルさせながら呟いている。

ここでひとつ問題がある、と先生。

これだけの大きさのしこりならば、リンパ節にも転移している可能性がある。しかし画像の上では、明らかな転移は見られない。手術の時に転移をしているか、病理検査しないと確定できないが、もし転移していた場合、乳房再建に影響してくるとのこと。放射線治療を追加するので、エキスパンダーを急いで膨らませて、インプラントを入れることになるらしい…痛そうなんですけど。

この辺りの兼ね合いが難しいんだけどね〜、と先生も困り顔だった。

「多分転移は大丈夫ですよ、と不確かなことは言えない。我々は常に最悪の場合を想定しておかないといけないからね。」

仰るとおり。いつも楽観的な私とは違いますな。

一応エコーで診てみようか、と親切にも言ってくれて、診てもらったところ、やはり明らかなものはないとのこと。あとは運次第かな。

 

放射線治療する場合、自分のお肉で再建したら大丈夫なんですか?」と切り出すと、「大丈夫ですよ」と。いいタイミングだと思い、実は自家組織で再建を考えていることを話す。

「う〜ん、結構大変みたいだよ。お腹の筋肉を取るしね…武道やってるんでしょ?お腹に力入れるとね…。健康な部分に傷をつけることになるから、個人的には勧めないかな…」

どうやらここの病院は、乳房再建にマイクロサージャリーは実施していないらしい…まあでもこれで諦めがついたかな。やはりお腹を切ってまで再建というのは、私には負担が大き過ぎる。仮にお腹の筋肉を取らない術式でも、傷が完全に癒えて、元のように武道ができるようになるまで、どれくらいの時間がかかるのだろう?年齢的に厳しいかもしれない。多少胸が硬くなっても、身体への負担が少ないインプラントのほうが、私にはメリットが大きいだろう。

もしまだ迷ったら、エキスパンダーの期間に考えることもできるし。

 

やっぱりインプラントにします、と告げて、いよいよ入院予約の話に。

 

乳腺外科と形成外科の先生の手術日が違う関係で、手術日は確定ではないけれど、再来週になりそう。いよいよか〜…

看護士さんから、入院関連の諸々の話と書類を受け取って、稽古へ。

両親や武道の先生には、いつ伝えようかな。なるべく入院ギリギリまで言うのが憚られる。

まさかの全摘…

今日はクリニック提携先の病院へ、CTと骨シンチの検査に行った。

その足でクリニックに検査のCD-ROMを持参し、画像診断。

結果、初見のしこり以外にも複数の腫瘍が見つかり、左胸は全摘することに…

最初に見つけたしこりは2.6cm。3cm以下なら部分切除で済むという知識を得ていたので、もう部分切除と思い込んでいました。かなりのショックを受けてしまい、しばし頭がボーっとなってしまった。

でも、今のところ明らかなリンパ転移は見つけられず、骨や臓器への転移もないとのこと。良しとしなければ。

 

乳房再建ができる、医大病院での手術を勧められました。自宅から近いので、助かる。ちょうど明日、医大の先生が代診で来るので、もう一度来院できる?と聞かれ、承諾。しかしショックで混乱していて、明日は火曜日だから、通院後、稽古できるな…とか勘違いしていた。本当は明日は土曜日で、朝早くからお出かけの予定だったのに…。勘違いに気づいたのは、診察室を出て、待合室で予約の時間を決めている時。しかし優先すべきは治療だなと思い、お出かけは出発を遅らせることに。

 

公園を通って、歩いて帰宅。いつもなら花を愛でたり楽しいのに、全く目に入ってこない。頭の中は全摘のことでいっぱい。悲しくて涙が滲む。マスクしててよかった。

 

夫が帰宅して、全摘になったと告げた時は、思わず涙がこぼれた。悲しい。悔しい。怖い。

でも、これは自分の身体を蔑ろにし続けた結果。だから受け入れて進むしかない。

針生検

前日のマンモグラフィとエコー検査に続いて、稽古を早めに切り上げてまた病院へ。

まさか針を刺しての検査をするなんて、先日まで思ってもみなかったけど、白黒つける為には必要。看護士さんが2人付いて、たわいない話でリラックスさせてくれた。

局所麻酔の注射が痛いとネットで見たので覚悟していたけど、チクっとする程度で、思ったより痛くない。もしかして痛みに強いのかな?

そして先生が何やらプラスチックのケースをバリバリさせている。歯ブラシのパッケージの巨大なやつって感じで、中は白くて長いパレットみたいな器具。

「使い捨てなんですか?」と思わず聞いたら、「そうですよー、注射はすべからく使い捨てです」と先生。そりゃ検査料も高いはずだわ、こんな大きな器具が使い捨てなんだもの。

組織を採る時、バチンと大きい音がしますよ、と予め聞かせてくれて、小さく切開した後いよいよ針を体内へ。触覚はあるけど、痛みは当然ない。エコーの画面を見たけど、やっぱりよくわからない。しばらくして、「今しこりに針が刺さりました。これから切り取りますよ」とアナウンスがあり、バチン!と大きな音と身体に衝撃が。採取は2度あって、針を抜いた後は、看護士さんが切開部分を強く押さえて止血してくれた。

「しこりが結構動いて、先生ちょっと苦心して時間がかかりましたけど、大丈夫ですよ」と看護士さんが言った時、私のしこりは良性なんだ!と思った。コロコロとよく動くしこりは良性が多い、とネットで知識を得ていたのだ。待合室で傷口を自分で押さえながら待っている時は、心が軽くなっていた。血液検査も問題なしと言われたし、大方安心だ。

お盆を挟んで2週間後に検査結果の予約を入れ、帰宅。